シェードガーデン戦記

小さな北向き粘土質の庭で、ガーデニング素人が悪戦苦闘するブログ

プロローグ6 芝生の世界を垣間見る

埋まらなかったスペースはそのままにすると土ぼこりがひどいので、芝生を敷くことにした。

理想の庭はホビット庄なので、緑の絨毯にちょっと憧れなくもない。

 

しかし世の中いわく、芝生は素人が手を出すものじゃないと。

  • 週一ペースで芝刈りしないと庭が荒れ果てる
  • 芝生に合わせて土をつくらないとあっという間に枯れる
  • 土地を平らにならさないと凸凹して成長にムラが出たり刈りすぎて枯らしたりする
  • 定期的に肥料やる
  • 芝刈りしたらサッチングする
  • 定期的に目土まく
  • エアレーション

 

うわっめんどくさそう。専門用語多い。なんでも芝生を丁寧に管理し青々と保つことを趣味とする人々は芝奴隷と呼ばれるらしい。

一瞬ヒいたが、「芝生 手入れ 楽」で検索したらTM9という成長の遅い芝生を見つけた。普通の芝より値段は高いが、伸びづらい=芝刈りは少なくて良い。丈夫で柔らかく色も濃い。

そしてもう1つ背中を押したのが、どこかのブログで見た「芝生なんて草なんだから水やって日が当たれば勝手に育つ」という言葉。ですよね!!!最悪だめなら諦める。

というわけで5月の半ばにTM9を購入し、庭をレーキで平らにならし(これがいちばん重労働だった)、ハサミで形を合わせながらベタ張りし、目土と水をまいた。

それから1ヶ月は毎日水をやり、根が出てきたあたりで梅雨に入ったので自然に任せた。7月頭の今、継ぎ目もわからなくなり良い感じに茂っている。今のところ、ズボラな素人でも充分いけそうな感触。

プロローグ5 西日問題

3月ごろまで強い日差しが当たらなかった庭、5月に入って衝撃の事実が発覚した。

西日すごいわ。

季節によってこんなに太陽の角度が違うのかと驚くほど、庭の半分には午後から日が入るようになった。ガーデニングの大敵らしい西日、夏には当然もっと強くなるだろう。

日陰で元粘土質で西日、悪条件もここまで揃うと清々しい。詳しい人ならそもそもガーデニングなんてやらない場所かもしれない。

全く日が当たらないのとどちらが良いかはわからないが、無謀なりにも1年様子見で頑張ろうと思っている。ぺんぺん草も生き残らないくらい酷かったら、パラソルでも置くかな……

プロローグ4 植えてみる

土がなんとか整った時点で4月。とりあえず暑くなる前に何か植えなければ!と苗を買った。

 

■チャレンジ組(日なた用なのはわかってるけど、耐えられるか実験用)

 

■頑丈組(きっとどこでも生き延びる)

 

■日陰組(確実に大丈夫)

 

つい好奇心で、いろいろな種類を一つづつ揃えてしまうけれど、本当は同じものがたくさんあったほうがまとまりが良さそう。

やや日なた向けが多いが、これで生き延びれば儲けもの。

 

ちなみに元々の家からプランターで連れてきたのは、

の3つ。まだプランターのままにしている。ムスカリは葉ばかり伸ばして花が咲かず、アボカドは全て葉を落としてから4月に脇芽を出し始めた。葡萄のみ、なぜか例年より好調。南向きのベランダは暑すぎたのだろうか……

 

狭いと思っていた庭だけれど3分の1を埋めるのがやっとで、これ以上は植えても面倒が見きれないと考えたので、残りは芝生を敷くことにした。

本当は煉瓦の道とか雑木とか、いろいろやりたいけど、まあ、2-3年後あたりにアイデアがまとまったら、そのときに芝生を剥がしてなんとかするってことで。

プロローグ3 土をつくる

とにかく土がひどかった。

バリバリにひび割れた地面にはなかなかシャベルが刺さらず、少し掘ったかと思うと拳くらいの石、錆びた釘、ガラス、麻縄、陶器の破片等々、ゴミでしょ……というものがゴロゴロ出てくる。灰色とレンガ色をした粘土の層が分厚く、靴底にみちみちに詰まる。

心を無にして修行僧のごとく、石とゴミを拾った。陶器片が出るたび「出土〜」などと呟きつつ、ひたすら掘ってた。

ゴミを取り除いたら、カチカチの粘土質をどうにかするべく土壌改良材を混ぜる。とりあえず培養土、ピートモス赤玉土、石灰を混ぜ込んで数週間寝かしてみたところ、中性にはなったが依然粘土のまま。踏むと一瞬で硬くなり、土壌改良材が粘土に取り込まれている……と戦慄する。

手に負えなさそうな粘土の塊は取り除き、繊維質を足すため完熟腐葉土ともみ殻くん炭を混ぜ込んでまた数週間寝かせてやっと、常識的な庭っぽい、シャベルからパラパラとこぼれる、靴底にくっつかない土を手に入れた。

文字にしてしまえばほんの数段落でも、ひ弱な文化系夫婦にとっては2人がかりで数ヶ月分の週末を犠牲にした大仕事だった。大体は土日のどちらかに作業し、翌日は全身筋肉痛で呻いていた。これを仕事にしてる農家の人はすごい。

同じように土質の悪い庭を改造したい人がいたとしたら、土作りマニア以外は、多少お金がかかっても業者に土の入れ替えを頼んだほうが良いと思う。

プロローグ2 シェードガーデンを知る

日陰でも育つ植物で検索をかけてみたが、キュレーションサイトの適当な記事ばかりでいまいち体系的な情報が得られない。分かったのは、陽当たりの悪い庭は「シェードガーデン」というジャンルを形成しているということ。

本屋に出かけてわかりやすそうなものを一冊買ってみた。

 

 

プロローグ1 日陰で土質が悪い庭

にわにはにこ問題がありまして。


一つ目

北向き。半分は午後のあいだ陽が当たるが、もう半分は一日中直射日光が当たらない。

特に冬の間は陽が差す時間が短い。これまで南向きの家にばかり住んでいたので、「日陰といってもビルの隙間ほど真っ暗でもないし、大体のものは育つでしょ」と根拠のない自信を持っていた。しかし前の家から連れてきたアボカドの鉢が、ものの数日で為すすべもなく枯れたのを見てヤバさを実感し、考えを改めた。

日陰に適した植物を調べなければならない。


二つ目

土が悪い。小石だらけで、水はけも悪く、雨が降るとぬかるむ。ぬかるみが乾くとヒビ割れる。

引き渡しの際に有料で土の入れ替えも出来ますと言われたが、春まで時間もあるので自分たちでやりますと答えてしまった。

土壌を改良して、植物を植えられる状態にしなくてはならない。


プロローグ0 庭を得る

引っ越し先の内見に行ったところ、駐車場スペースがまだ完成しておらず、剥き出しの土だった。

これからコンクリートを流し込むと聞いて、ほぼ反射的に「半分くらい土のままにしてください」と頼んでいた。


かくして十数年ぶりに自分の庭を手に入れた。そのときは何も考えずにガーデニングができるとわくわくしていたが、これがコンディション最悪の庭との、長い戦いの幕開けとなるのであった。